第2回 日本子ども社会学会大会 プログラム | ||
1995(平成7)年6月10日(土)~11日(日) | ||
於:明治学院大学 | ||
第1日目 6月10日(土) | ||
10:30~12:00 | テーマ・セッション1 | 児童文化研究のあり方をめぐって |
テーマ・セッション2 | ニーズの多様化と幼児研究の諸課題 | |
テーマ・セッション3 | 子どもとジェンダー | |
14:00~17:00 | 公開シンポジウム | 子どもに自由時間を -学校週5日制を考える- |
第2日目 6月11日(日) | ||
9:30~12:30 | 1部会 | 子ども社会の理論と方法 |
2部会 | 幼児の生活と保育 | |
3部会 | 子ども像と親の教育観 | |
4部会 | 子どもの生活 | |
5部会 | 子どもの文化 | |
6部会 | 子どもと学級 | |
7部会 | 子どもと学校 | |
8部会 | 子どものメディア | |
9部会 | ジェンダー | |
13:30~16:30 | ワークショップ1 | 「いじめ問題」を考える |
ワークショップ2 | 子ども自身の文化の研究について | |
ワークショップ3 | 子どもの遊びと学校外活動 |
6月10日(土) テーマ・セッション1 | |
児童文化研究のあり方をめぐって | |
コーディネーター: | 川勝 泰介 (市邨学園短期大学) |
児童文化の研究は、これまで児童文化財を中心に行われてきた。しかし、「児童文化」そのものについての議論は乏しく、おとなが子どものために作り出すことの多い児童文化とは<おとなの文化>ではないのかという指摘や批判もみられるようになってきている。また最近では、「子ども文化」も多く用いられる傾向にあり、「児童文化」という概念をどうとらえるのかということを含めて、改めて児童文化研究のあり方を問い直す時機に来ているのではなかろうか。 そこで、「子ども文化」との違いの問題、従来の児童文化論に対する反省や批判など、さまざまな問題点の検討と整理を通して児童文化研究のあり方を探るとともに、今後のネットワークづくりのための意見交流を行いたい。 |
6月10日(土) テーマ・セッション2 | |
ニーズの多様化と幼児研究の諸課題 | |
コーディネーター: | 森 楙 (広島大学) |
司 会: | 大 塚 忠 剛 (愛媛大学) |
話題提供: | 石 橋 尚 子 (名古屋短期大学) |
竹 内 通 夫 (金城学院大学) | |
田 中 亨 胤 (兵庫教育大学) | |
中 島 紀 子 (聖カタリナ女子短期大学) | |
少子化に代表されるように、幼児の発達・成長に直接・間接に影響する新しい社会的文化的諸条件が生じている。少子化現象だけを見ても、その背景には、働く女性の増加、家族観・子ども観・親子観の変化、家族関係の変容、さらにその背後にある経済的社会的構造変化など、様々なものが考えられる。こうした幼児をとりまく環境変化は、子ども自身はもちろん、親、保育者、行政など、様々な層に多様なニーズを生み出し、これまでの幼児研究にはなかった新しい課題を、わたしたちに提示することになる。また、これまでの幼児研究では対応できない状況すら生み出しているともいえる。このセッションでは、幼児研究に携わっている人たちを中心に、幼児研究のこれからの方向や内容や方法などについて、自由な意見交換と研究者の交流を行いたい。 |
6月10日(土) テーマ・セッション3 | |
子どもとジェンダー | |
コーディネーター: | 望月 重信 (明治学院大学) |
話題提供: | 池 田 隆 英 (岡山大学大学院) |
春 日 清 孝 (明治学院大学大学院) | |
子どもとジェンダーという問題領域にどんなものが考えられるか。また、いかなるジェンダー研究の方法やアプローチが可能かなど、基礎的な視座を提起してみたい。 子どもと性役割、子どもとジェンダー・アイデンティティ、子どもとセクシュアリティ、子どものジェンダー・バイアス等々、子ども社会に見るジェンダーの実際を取り上げながら、これからの「子どもとジェンダー」の対象と方法、そして課題意識について自由に話し合って行きたい。子ども社会や子ども文化とジェンダーに関心のある会員の皆さまの参加をお待ちしています。 |
6月10日(土) 公開シンポジウム | ||
子どもに自由時間を -学校週5日制を考える- |
||
司会: | 森 楙 (広島大学教授) | |
望月 重信 (明治学院大学教授) | ||
提案者: | 深 谷 昌 志 (静岡大学教授) | |
落 合 恵 子 (作 家) | ||
宮 川 八 岐 (文部省初等中等教育局教科調査官) | ||
藤 巻 勉 (東京都北区立第四岩淵小学校教頭) |
6月11日(日) 1部会 | ||
子 ど も 社 会 の 理 論 と 方 法 | ||
司会 | 近 藤 大 生 (大阪教育大学) | |
牧 野 暢 男(日本女子大学) | ||
9:30~10:00 | 福祉教育を考える | |
村 上 尚 三 郎 (佛教大学) | ||
10:00~10:30 | 桜井庄太郎博士の「日本児童生活史」研究 | |
高 島 秀 樹 (明星大学) | ||
10:30~11:00 | 教育問題の社会学的考察 | |
太 田 佳 光 (愛媛大学) | ||
11:00~11:30 | 大学における教授法への新しいアプローチ | |
:実践研究「児童文化学」 | ||
佐 藤 喜 代 (鎌倉女子大学) | ||
11:30~12:00 | 近代日本の学校における身体観の一考察 | |
-明治期中等学校の制服をめぐって- | ||
安 東 由 則 (山口芸術短期大学) | ||
12:00~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 2部会 | ||
幼 児 の 生 活 と 保 育 | ||
司会 | 萩 原 元 昭 (群馬大学) | |
無 藤 隆 (お茶の水女子大学) | ||
9:30~10:00 | 保育ニーズと保育サービス | |
山 縣 文 治 (大阪市立大学) | ||
10:00~10:30 | 外国籍児の集団適応過程に関する研究 | |
石 橋 尚 子 (名古屋短期大学) | ||
10:30~11:00 | 幼児の注意力の特性(1) | |
-ジェームズの分類を中心に- | ||
井 出 麻 理 子 (上智大学大学院) | ||
11:00~12:00 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 3部会 | ||
子 ど も 像 と 親 の 教 育 観 | ||
司会 | 佐 多 不 二 男 (山形大学) | |
牧 野 カ ツ 子 (お茶の水女子大学) | ||
9:30~10:00 | 幼児向け雑誌の内容構成から見た教育観の台・日比較 | |
呉 淑 琴 (広島大学大学院) | ||
10:00~10:30 | 子ども向け読み物の改作について | |
浮 田 真 弓 (筑波大学大学院) | ||
10:30~11:00 | 幼児を持つ母親の意識 | |
-早期教育熱を支えるもの- | ||
井 上 健 (純心女子短期大学) | ||
11:00~11:30 | 戦後の父親像の変遷 | |
深 谷 野 亜 (上智大学大学院) | ||
11:30~12:00 | 異界と少年少女 | |
-同人誌即売会を事例として- | ||
春 日 清 孝 (明治学院大学大学院) | ||
12:00~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 4部会 | ||
子 ど も の 生 活 | ||
司会 | 明 石 要 一 (千葉大学) | |
持 田 良 和 (龍谷大学) | ||
9:30~10:00 | 演劇をクラスの集団づくりに! | |
本 多 利 子 (京都大学大学院) | ||
10:00~10:30 | 子ども社会と教育 | |
嶋 野 道 弘 (文部省初等中等教育局) | ||
10:30~11:25 | 子ども会のジュニア・リーダーの意識と行動 | |
-子ども会活動効果、ジュニア・リーダー効果をさぐる- | ||
○ | 野 垣 義 行 (横浜国立大学) | |
○ | 宇 田 川 光 雄 ((社)全国子ども会連合会) | |
11:25~11:55 | 子ども文化としてのスポーツ | |
山 本 清 洋 (鹿児島大学) | ||
11:55~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 5部会 | ||
子どもの文化 | ||
司会 | 加 野 方 正 (香川大学) | |
持 田 良 和 (龍谷大学) | ||
9:30~10:00 | 子どもの遊び文化の創造 | |
-手づくりおもちゃ作りを通して- | ||
松 井 譲 二 (ひょうご手づくりおもちゃ館) | ||
10:00~10:55 | 「児童文化」の変容 | |
-マスコミ文化を基点にして- | ||
○ | 舟 橋 斉 (聖母女学院短期大学) | |
○ | 戸 苅 恭 紀 (愛知県立大学) | |
○ | 棚 橋 美 代 子 (中京女子大学) | |
10:55~11:50 | 子どもにとってのおばけとジンクス | |
@現代子どもおばけ考 | ||
A生活の中の祈りとジンクス | ||
○ | 山 根 は る み (日本心理センター) | |
○ | 石 川 洋 子 (文教大学女子短期大学部) | |
深 谷 和 子 (東京学芸大学) | ||
11:50~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 6部会 | ||
子 ど も と 学 級 | ||
司会 | 飯 田 稔 (千葉経済大学短期大学部) | |
伴 恒 信 (鳴門教育大学) | ||
9:30~10:00 | 「主体性の高まりをめざす課題学習」 | |
-感性を生かす学習- | ||
大 房 龍 雄 (富山大学教育学部附属中学校) | ||
10:00~10:30 | 個性を育て、伸ばす一人一委員長 | |
大 近 正 博 (福岡市立別府小学校) | ||
10:30~11:25 | 「子どもから見た担任教師像」に関する研究 | |
○ | 土 橋 稔 (杉並区立杉並第六小学校) | |
○ | 鶴 巻 景 子 (杉並区立桃井第二小学校) | |
矢 部 崇 (目黒区立不動小学校) | ||
戸 塚 智 (横浜市立上郷南小学校) | ||
島 田 美 佐 江 (千代田区立麹町小学校) | ||
三 枝 恵 子 (埼玉県立小川高等学校) | ||
深 谷 昌 志 (静岡大学) | ||
11:25~11:55 | 学級を対象とした調査研究方法 | |
-客観性とリアリティーを両立させるための試み- | ||
○ | 岡 田 京 子 (宮崎大学大学院) | |
滝 充 (宮崎大学) | ||
11:55~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 7部会 | ||
子 ど も と 学 校 | ||
司会 | 相 原 次 男 (山口女子大学) | |
田 中 統 治 (筑波大学) | ||
9:30~10:00 | 今日の高校女子マネージャーをめぐる諸問題 | |
○ | 手 塚 博 生 (東京都立小金井工業高等学校) | |
○ | 宮 川 隆 史 (東京都立大森東高等学校) | |
10:00~10:30 | 潜在的カリキュラム論に関する一考察(3) | |
高 旗 浩 志 (広島大学大学院) | ||
10:30~11:25 | 偏差値主義の研究(1) | |
-青少年の意識分析を中心に- | ||
片 岡 徳 雄 (広島経済大学) | ||
○ | 河 野 員 博 (広島県立大学) | |
○ | 須 田 康 之 (比治山女子短期大学) | |
11:25~11:55 | 大学生のいじめ・いじめられ体験 | |
-回顧的ケーススタディ- | ||
深 谷 和 子 (東京学芸大学) | ||
11:55~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 8部会 | ||
子 ど も と 親 | ||
司会 | 飯 田 浩 之 (筑波大学) | |
市 川 昌 (江戸川大学) | ||
9:30~10:25 | テレビ漫画に関する実証的研究() | |
-小・中学生の接触と反応- | ||
住 田 正 樹 (九州大学) | ||
○ | 藤 井 美 保 (香蘭女子短期大学) | |
○ | 多 賀 太 (九州大学大学院) | |
○ | 稲 永 由 紀 (九州大学大学院) | |
田 中 理 絵 (九州大学大学院) | ||
10:25~10:55 | テレビっ子とゲームっ子の特性比較 | |
森 楙 (広島大学) | ||
○ | 湯 地 宏 樹 (広島大学大学院) | |
10:55~11:25 | 「有害」コミック研究(2) | |
-大学生の意識を手がかりにして- | ||
○ | 藤 田 由 美 子 (広島大学大学院) | |
白 松 賢 (広島大学大学院) | ||
原 田 彰 (広島大学) | ||
11:25~11:55 | 学校週5日制と子どもの生活 | |
向 出 佳 司 (pl学園女子短期大学) | ||
11:55~12:30 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) 9部会 | ||
ジ ェ ン ダ ー | ||
司会 | 近 藤 弘 (立教大学) | |
渡 邊 恵 子 (日本女子大学) | ||
9:30~10:00 | 高校家庭科の男女共修とジェンダー | |
遠 田 瑞 穂 (東京学芸大学大学院) | ||
10:00~10:30 | ジェンダーと自己形成 | |
岸 澤 初 美 (お茶の水女子大学女性文化研究センター) | ||
10:30~11:25 | 高校生にとっての異性 | |
-相手のできることの意味をめぐって- | ||
○ | 三 枝 恵 子 (埼玉県立小川高等学校) | |
○ | 船 越 恵 子 (啓明学園初等学校) | |
深 谷 和 子 (東京学芸大学) | ||
11:25~12:00 | 総 括 討 論 |
6月11日(日) ワークショップ1 | ||
「い じ め 問 題」 を 考 え る | ||
コーディネータ: | 深 谷 昌 志 (静岡大学) | |
1.基調報告 | 「いじめ問題」とは | 滝 充(宮崎大学・国立教育研究所) |
2.基調報告をめぐって | @教師の立場から | 伊藤澄生(練馬区立開進第二中学校) |
鈴木秀雄(練馬区立大泉第二中学校) | ||
A逸脱の立場から | 内山絢子(科学警察研究所) | |
B精神医学の立場から | 田村毅(東京学芸大学) | |
いじめをめぐる問題は有効な手段を見出せないまま、現象そのものは歯止めのかからないまま蔓延する傾向を強めている。 このワークショップでは、@いじめの現象そのものをどう理解したらよいのか、Aいじめがこれほどまでの拡がりを見せたのは何故か、さらに、Bいじめを鎮静化する有効な手段はあるのかなどを参加者を交えて話し合って行きたいと考えている。 |
6月11日(日) ワークショップ2 | |
子 ど も 自 身 の 文 化 の 研 究 に つ い て | |
コーディネーター: | 山本清洋(鹿児島大学) |
スピーカー: | 1.子ども自身の文化の現状と課題 |
斉藤次郎(子ども文化評論家) | |
2.現代の子ども像と子ども文化 | |
森田伸子(日本女子大学) | |
3.子どもの発達と遊び | |
高橋たまき(日本女子大学) | |
コメンテーター: | 4.子ども自身の文化と研究法 |
藤本浩之輔(京都大学) | |
現在の子ども社会では、学校不登校、いじめ、自殺等に見られるように予測を越えた現象が起きています。確かに子どもは変化しつつあります。子どもが変化しつつあることは、子どもが生きている文化自体にある種の歪みが生じていると予測されます。情報過多、早期教育、過社会化等に見られる子ども社会の変化は、政治、文化、経済、自然と人間の調和など新しい秩序の再構築が迫られ、混沌としている大人社会の変化の結果でもあります。 「子ども自身の文化」の現状の何が特異なのか、現代の子ども像とは何か、発達と子ども文化とはどのような関係があるのか、子ども文化に大人はどう係わるのか・・・。これらに対する解を見いだすことは、子ども自身の文化を豊かにし、子ども自身の存在を確かなものにする。今回のワークショップでは、「子ども自身の文化」に関する領域の異なる分野からの様々な実践や研究の中に「子ども自身の文化」を見定める方法を探っていきたいと思います。 |
6月11日(日) ワークショップ3 | |
子 ど も の 遊 び と 学 校 外 活 動 | |
コーディネーター: | 小 笠 原 浩 方 ((財)プレイスクール協会) |
持 田 良 和 (龍谷大学) | |
昨年度にひきつづき、子どもたちの遊びと仲間集団におとながどのようにかかわることができるのかを、具体的な作業を共にしながら話し合い、さまざまな視点を交差させながら、問題を見直していきます。昨年度は「子どもの頃の遊び場地図」をつくりながらの話しあいでしたが、今年は首都圏での開催ということもあり、もう少し都市空間の変容とかかわらせたワークショップにしていきたいと考えています。 そのために東京近郊で実際に子どもたちにかかわっているスタッフの方々にも参加していただければと考え、現在交渉中です。 いずれにしても、抽象的な議論ではなく、具体的な現実をふまえたワークショップになることでしょう。 |